本日、ひなまつり。

わたしの初節句のときに母が買ったという奈良の白木の一刀彫のおひなさま。小さいの。

こっちはわたしが家を出るときに母が買ってくれたもの。

家の段雛と同じ作家が彫ったものだそうな。しかし、今年は出戻っているので、母の管理下にて陳列。ま、それもまたよし。
今日は日本アカデミー賞を最後だけ観たよ。
http://www.japan-academy-prize.jp/
「ALWAYS」が全ジャンルほぼ独占受賞。監督が若くてびっくり。そんな中で「北の零年」の吉永小百合が主演女優賞を獲った挨拶で、自分だけじゃなくて、製作チーム全体の受賞だ、と言葉を詰まらせながら語っていたのがちょっと印象的だった。それを観ながら石原さとみがくりっとした目にいっぱいの涙を溜めていたのも。
思うに、映画ほど「個」ではどうにもできないジャンルって珍しいと思う。どれだけ才能があるヒトが脚本や監督や主演を務めても、いい映画になるとは限らないし、いい映画が必ずしも多くのお客に観てもらえるとも限らない。広報が強い配給会社や政治力のあるプロデューサ、コミュニケーション能力と求心力にすぐれた監督がいて、柔軟性が高くてブレがないホン、監督をきっちり信頼する技術チームがあって、その上で、いい役者がいい演技をして、初めて商業作品として成立するというか。
舞台も総合芸術だけど、映画は更に、プラス、テクニカルな要素が大きくなる分、製作や制作のボスの知識と人脈と人徳が問われる感じがするんだな。表向きの物語性や役者の演技力だけが問題じゃない、っていうような。いや、それも重要だけどね。舞台が好きでも、スクリーンでしか表現できない芝居ってあると思うし、物語で泣かされる度合いって映画が一番大きいし。でも、それだけじゃない面白さっていうのが映画にはあって、この年齢になって初めて、それに気付いてきた感じがある。
いつでもそうだけど、わたしはこういうことに気付くのが遅い。舞台表現のジャンルとしての面白さに目覚めたのも遅かった。面白い舞台を割と若い頃から観てたのになあ。もっと早く気付けば、もっと違う視点を持てていただろうに。アホだ。
あと、最優秀主演男優賞にノミネートされていたユースケ・サンタマリアの紹介 V で BINGI BONGO 時代の映像がちょっと流れていたのにウホッとなった。特に好きだった訳じゃないのに何故? 我ながらおかしな反応。
そして時効警察、抜き打ちで犬山イヌコが出てて大喜び。お茶噴きが最高だった。あと霧山&三日月くんのセーラー服姿が凶暴。台詞にケラさん風味がちらりちらりと混ぜ込まれていて、変質者の存在とか、無意味度(≒脚本論的な破綻度)が高くて好きだったなあ。新入生の心の中の声が字幕になるところとか、非常にバカみたいで好ましかった。「タクシーの運転手さん?」とか言って、んとにバカみたい(褒め言葉。
DVD が出たら買ってしまうような気がする。サントラもほしいような気がする。携帯の着信音は常にバイブにしてるので、テーマ曲を設定できない(しても意味がない)のが残念。や、いっそ目覚まし音用に落とすとか…(ぶつぶつ。