「好きだ、」

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監督がどんな人なのか、とか、どういう成り立ちの映画なのか、とか、ひとつも知らずに観に行ったのは、単にキャストが魅力的だったから。
幼馴染み、淡い恋心を抱きあう高校生同士を宮崎あおいちゃんと瑛太くん、成長した後の2人を永作博美さんと西島英俊さん。そそられない訳なかろーが。殊にホレ、こちとらアンフェア・ショック覚めやらぬ身、可愛い瑛太きゅんが観たいじゃない? ねえ?
高校時代のシーン、舞台は秋田。フレームの大部分を占める空の表情の豊かさ、緑の美しさ。東京のシーンでは、都会のはずれの住宅地の寂しい感じがとてもリアルだった。
最小限の台詞で芝居をするメインキャスト4人ははずれなし。殊に、自分から思わずチュウをした後、後ずさり、俯いて髪で顔を隠して泣き出す宮崎あおいちゃんは素晴らしかった。あと、大人になった後の2人のキスシーンもよかったなあ。本当に、キャストの魅力は炸裂してた。
演出、中でも SE を殆ど利用せず、風の音、川の音、草の音、足音、車の音、夜の音、身じろぎの音、グラスの音…を丁寧に拾った音響が、わたしはすごく好きだった。
だがしかし。いかんせん、物語が。本当に残念なことに、物語が好きになれなかった。うう、惜しい。
でも、キャストは4人とも本当に魅力的だったし、いい芝居をしてたと思う。それを観ただけでも価値があった、という形の納得・決着を迎えたので、結果オーライで。