岸田戯曲賞選評、配布開始

id:ko-moto さんちで見て思い出した、今日、新宿ルミネの BOOK 1st でもらって来てたんだった。サイト*1にはまだ上がってないみたいだけど、じきアップされるだろう。
これを読んで腑に落ちたというか、すっきりしたのは、長塚圭史さんの「LAST SHOW」が最後まで選考に残って、受賞2作と三つ巴で競っていたという点。何となく安心した。その「僅差」を戦いきれなかった理由に、各選考委員が色々な表現で触れているのだけど、岩松了さんの言葉がわたしには一番すっと入って来た。

長塚圭史『LAST SHOW ラストショウ』。導入の父親の恐怖がもっとつづけば、と思わずにはいられない。謎が謎でなくなってゆくのは父親の"幼さ"に原因しているように思われる。暴力に斜行していくのは同じ原因だ。舞台上で人肉食うより、何もしない方がよっぽど怖い場合だってある。観客は、与えられないものをこそ奪いとろうとするのではあるまいか。

でも、岩松さんは長塚さんに票を投じたんだて。素敵すぎる。
そう、こういう選評の「選んだ理由」にはわたしは大して興味はなくて、落とした作品について語っている言葉にこそ、選者の意思というか、センスというか、そういうものが出るような気がしてならないのだな。野田さんも誠実な選評で沁みた。そして宮沢さんがとぼけてない文章、っていう、それだけで結構「おお!」って思ってしまったよ。はは。