今日買った本

ハチミツとクローバー 9 (クイーンズコミックス)

ハチミツとクローバー 9 (クイーンズコミックス)

クリアファイルももらった。つか、全然クリアじゃないんだけどね。みどりちゃんマグネットもついていて、これについての羽海野せんせいのweb日記の記述がたまんなかった。

初版には全てに
「ミドリちゃんマグネット」が付いています!
たとえ、いやだ。と言っても、ミドリちゃんは貴方の本にくっついて来ます
お値段は、マグネットつきでもかわりません
だいじょぶです。集英社さんからのサービスです。
みなさんが応援して下さったことへのお礼です

ほんとうにハチクロはしあわせなマンガです

だいじょぶです、ってね、「まとまったお金の唄」の東京千秋楽、カテコでもたもた出てきた松尾さんも同じことを言ってた。「もう払わなくてだいじょぶです」って。こういうの、ホントきゅんとなる。
中身は…なんかこのへんからはもう、わたしは我慢ができずに毎月立ち読み(時に買い読み)しているのだということを理解した。しかし、森田兄であるところのカオルさんは可哀想な人だなあ。森田父も、森田さんも、こうやって極端な魅力を持ってる人(作中の言葉で言えば「持つ者」)の近くにいる人は、本当にしんどいものなんだろう。こういうのは、芸術系の学校に行っていた身としては痛く感じる。そうだよね、昔、はぐを見て竹本くんが感じていた気後れだって、本質的には同じものだったんだろうし。このへんの「持たざる者」の辛さが、このオハナシの根底にある気がして、そこがわたしはすごく好きだ。
普段、普通に暮らしていると、あんまり「圧倒的にこの人には敵わない」みたいなことって殆ど感じないで済む日本社会なんだと思うんだけど、そういうことを嫌ってくらいに思い知らされた経験のない人よりも、敵わない相手や、敵わないからと弱くなる自分と戦った経験のある人のほうが、わたしには面白く感じられる。別に勝ち負けじゃなくて、敵わない自分でどのように生きてゆくか、という価値観の話な訳だから。
こういうのって、実際にこの気持ちを知ってる人じゃなきゃ描けない。だからわたしは、羽海野せんせいのスタンス自体が好きでこのオハナシを読んでいるような気がする。どんなラストを見せてもらえるのかが単純に楽しみだ。

こころ (新潮文庫)

こころ (新潮文庫)

小川未明童話集 (新潮文庫)

小川未明童話集 (新潮文庫)

Yonda? キャンペーンに参加したい! という欲求でのみ購入。つか「こころ」なんて家に3冊くらいあるんだけども! ええねん…「吾輩」観て何となくもう一度読みたくなってん…「こころ」は高校生の頃に現国の教科書に載っていたんだけど、授業でやっている間にサバサバしたおばさん先生が「『K』と『私(=先生)』は精神的にはホモですよ」「次回、ようやく K が死にます」と数々の名言を残していたっけ。懐かしい。
デッドエンドの思い出 (文春文庫)

デッドエンドの思い出 (文春文庫)

文庫が出たと聴いていそいそと購入。これがハードカバーで出たときの評判を聞いて、読むや読まざるや…と考えたときに、一時期の自分の「吉本ばななをなかったことにしたい」という思考に気付いた。そこでじっくり腰を据えて色々考えたことで、その後はチラチラと読むように。近作は結構読んでる気がする。
初期は狂ったように好きで、日大芸術学部の文芸学科に進学したのは、中学生のときに読んだこの人の処女作品集「キッチン」に収録された「ムーンライト・シャドウ」という小説があまりにも好きで、それが大学の卒業制作で書かれたものだと知ったからだった。多分、途中でこの人の小説をを読まなくなったのは、何だか書いてることがオカルトじみて来ているように感じたのと、あまりに好きすぎて、変に同一視しそうになってたからだと思う。「この人がこんな風に書いているなら、自分はいらないのでは」みたいな…物書きにならなきゃ別にどうということもなかったはずなのに、どこかで物書きになるつもりでいたんでありましょう。アホな子であった。
そんな訳で、若い頃の思い込みと決別するいい機会なので、ターニングポイントになったこの本を読もうと思う。楽しみだな。