わたしは単純なので、ムショウに旅行に行きたくなった。勿論海外。インド旅行記を立て続けに読んで、インド話をラジオで聴いて、じゃあインドに行きたいのか? というと、なんかよく分からないけども。そして今日、キックを聴いてて思い出したけども、叔父が若い頃、仕事を辞めてインドに行ってしまったことがあったなあ。2年くらい行っていたのだったろうか。帰国後は、ものの見事に佐渡に隠遁してしまった。コンビ二でバイトをして、一軒家を安く借りて、庭で野菜を作って猫と暮らしているそうだ。帰国直後、風邪を引いたというわたしにチャイを作ってくれたっけね…小学生には酷なジンジャー&スパイシーテイストで、なんか、色々切ない思い出だ。そんな風になりたい訳でもないからなあ、インドでなくても別に…あ、バリ島! 久しぶりに行きたいかも、バリなら一人でも行けるし…(遠い目。
しかし近年、休みもお金も文化活動に突っ込んでいるので、実際には海外に行く隙間は年間通じてない。来年はペース配分ちゃんとして海外行きたいかも。いや、最悪国内でもいいや。フェスとか遠征とかじゃなくて、旅行でどこかに行きたい…って、どんだけささやかな願いなのだかなあ。はは。
あと、ko-motoさんち*1SAKEROCK の「インストバンド」の PV にあまり心動かなかった、というくだりを拝読して深く頷いた。わたしもわたしも。だから書けなかったんだけども。素朴で味わいのあるアニメーションであることは、わたしの衰えた感覚でも分かるんだけど、好みかどうかで言うとさほどでもなかったのだな。いい話、優しい表現、温かみ、そういうものはすごく微妙なもので、ちょっとのディティルでまっすぐに胸に刺さったり、ごく微量の陳腐性を嗅ぎ取って「んー」ってなってしまったりが分かれる。ほんでわたしにとっては、タムくんアニメはツボを外れていた*2ってことだ。
好きなアーティストが愛しているものは一通り大好き、そういう風にストレートに思えれば世の中は随分シンプルになるのかもしれないけれども、そういうのを疑うことで見えてくるものを、わたしは宮沢章夫さんと松尾スズキさんから習って大人になったと思っている。だから、最近、「諸手上げ」な大人計画ファンが多いように見えるのが妙に居心地が悪い感じなんだけども、それと多分、今のサケに対する「みんな大好き!」具合は近い感じを覚えるのだなあ。「全会一致を疑う」みたいなところにこそ、大人計画(というか松尾さん)やサケ(というか源ちゃん)の面白さの一端があるんじゃねーかな、という風に思うのでね。
…おっと、あんまこゆこと書いてっと、また、「わたしは昔から大人計画を観ていたからそういうのが分かる」という風に取られて2ちゃんで「イタイ」とか名指しされんだな*3。ごめんごめん。オーケイ、平穏にいこうじゃないか、相棒(…誰? 要するに、好きなアーティストの好きなものをなぞってみるのは全然アリだけども、その上で、それが自分の好きなものでもあるのか、ジャッジする基準が自分にないとつまんないよなあ、っていう、そういう感じだ。勿論、タムくんアニメがよかったという人の中にも、本当に好みにマッチして好きだと言っている人もいるのだろうけど、なんか、流れで「よかった」と言っている人も結構いそうな気がしたのでね。
ちなみに、わたしはこういう話題ではいつも、吉野朔実の「瞳子 (ビッグコミックス)」に出てくるこのフレーズを思い出す。

・・・でも/好きなものが/同じより、/嫌いなものが/同じほうが/いいような気が/するんだ。

あ、いや別にタムくんアニメが「嫌い」と言っている訳ではなくて。愛するアーティストが好きだと言っていることばかりでなく、格好悪いと思っていること、で惚れるのって意外と本質的な気がするよね、っていう、それだけの話。
ところでウルルンの予告を観た。いざクレイアニメの映像の質感観ると胸が躍るのな。楽しみ楽しみ。

*1:id:ko-moto

*2:でもタムくんライブの何かの曲のアニメで、完全に高橋留美子だろう、っていう女の子の絵が出てきたときは、なんかにやけた。

*3:先日されまいた。ファン歴長いことを高圧的に自慢してやがる、と怒られちった。書いた人はよっぽど、昔の大人の公演観てない(のにわたしが観ていた)ことが口惜しいのだなあ、と思わされた。残念ですなあ…ざまあみろ、なんて、言わないよ絶対〜♪ なんちて、テヘ☆