結婚式

入籍から半年ちょい経ったこの週末、改めて結婚式とゆーものをやって来ました。
やっぱり、結婚式っていろいろとややこしいというか、お金もかかるしオオゴトだし面倒だし、女子の夢的な要素の強いイベントゆえに、何を決めるにも何を選ぶにも、「女子の夢的なところにすっぽりハマっている自分を想像すると恥ずかしくて死ぬる」つう自意識との戦いがものすごくてホント疲れる…って寸前までは思ってました。
でも、当日はもーんっのすごっく楽しくって楽しくって、もうもうもうもう! やってよかったーん、ってホントに思った。わたしったらげーんきーん。
でも、そう思えたのも、師走の忙しいタイミングで時間割いてお祝いに来てくれて、一緒にげらげら笑ってくれた人たちがいたからだなーとも思う。来てくれたお友達はてなーの日記を拝見していても、中には「和やか」とか「暖かい」とかキレイに表現してくれている方もいるんですが、もう「面白い」とか「笑える」とか、そういうレベルで笑いっぱなしだったんですよ…ね…神妙さのかけらもないのう…。
わたしの大学時代の友人に、プロのカメラマンとして婚礼の写真も普段から担当している子がいて、今回彼女に列席しつつスナップ撮ってもらったんだけど、わたしは元来写真が大の苦手なのに、「リエが撮ってくれると笑い顔がこわばらなくて済んでいいわあ」なんつったら、「つーか、新婦笑いすぎだから!」って笑われ、確かに多分、真顔の写真なんて殆どないよなあ、というレベルで笑い続けていた一日でした。それって、われわれ夫婦だけが笑っててもそうはならなかった訳で、出席者全員が笑ってナンボ、みたいな空気になってくれたおかげなんだよねえ。わたしの会社の社長からも、「アットホームな式にするのって難しいけど、今回成功してたのはメンツが良かったんでしょうね」とメールをもらって、ホントにホントに楽しんですごせたのは皆さんのお陰であることだよ、としみじみ、改めて感謝の気持ちを噛みしだいたという次第。
わたしの中では、「結婚する」という言葉の意味として、行為や行動をあらわす動詞というより、状態をあらわす動詞*1だと思ってまして。「結納」(する人は)とか「入籍」「挙式」「披露宴」とかは確かに「行為・行動」だけど、そのイベント自体より、肝は結婚した後の「状態」のほうだと思っていて、だからちょっとイベントそのものを大事がりすぎないように、イベントが目的だと勘違いしてしまわないように、と警戒する気持ちがわたしの中では強かった気がします。その結果、必要以上にイベントを軽視するよう、自分の気持ちを操作してたのかもしれない。その割りに、当日完璧に楽しむことができたことに我ながらびっくり、という感じで、自意識過剰なわたしがあんな楽しい思いをできたのも皆さんのお陰よのう、と嬉しく、しみじみありがたかった、という話なのです。本当に感謝。あの寒い日に時間作ってくれた皆さん、ありがとうございましたあっ。
ともあれ、これで「ドレスが入らなくなるのでは…」という恐れからアイスを自粛、みたいな縛りがなくなり、年末年始で順調にむくむく太っていく自分が予想されます。でもいいのいいの、しあわせぶとりってやつだから! きのうは早速アイスを2つ食べましたとも。アイスを食べられる毎日がしあわせです。ええ、そういう「しあわせ」ですが何か?
これで新婚であることを取り立てて主張する機会も使い果たしたので、この先は普通にいち夫婦としての日常が開始するなあという感じがしてます。それはそれで楽しみなので、あの一日の楽しさを忘れずに、ずっと元気に、仲良く笑ってられるようにふたりで暮らしてゆきたいなあ、と思う次第です。
で、いくつか、当日の出来事で記憶に残っていることをばらばらとメモしておこうかと。楽しかったことの記録として。

  • お支度でヘアメイクリハーサルとまったく違う、ふわっふわした髪型にセットされ、「晴れの日の装いにこだわって髪型をうるさく直させる新婦」と「晴れの日に気合満々で髪をふわっふわさせている新婦」とどっちの恥ずかしさならまだ耐えられるのか、朝から究極の選択を迫られる羽目に。何が面倒臭いって、自分の自意識過剰っぷりが心底面倒臭い。ちなみに選んだのは後者でした。
  • 美容師さんの手でドレスのファスナーが一番上まであがった瞬間、安堵のあまり涙目になる新婦。ちょっと細身のラインのドレスにしてしまったせいで、入らなかったらどうしようとどれだけ憂鬱な思いをしていたことか…! この日、唯一泣きそうになった瞬間であった。
  • じゃあなんでそんな細身のドレスを選んだのかっつーと、中年はふんわりしたドレスを着ると一層膨らんで見えるってことに試着の時点で気づいたからだ! よ!
  • これは意外な盲点なのですが、今後ドレスを選ぶ機会のある人は是非、一着タイトなラインのものも試してみるといいと思う。身の程知らずにもソフトマーメイドのドレスを選んだのはそういうことであった。
  • しかしそんな思いで着たドレス姿に対し、お世辞であっても「ほそい」と言っていただいていい気になっている新婦の横で、いちいちマメに「いやいやいや!」と真顔で打ち消す新郎のウザさたるや…!
  • そんなこんなで支度が済んで、ポーズ写真の撮影のために撮影室に向かい、親族控室の前の廊下を通り過ぎる際、開いたドアから一瞬、ブーケを振ってピースサインを出した新婦に新郎の母が驚愕。新婦、あとからものすごく反省。
  • 撮影室から親族控室に戻ってきた新郎新婦を取り囲み、座卓を移動してまで新郎新婦と写真を撮りたがる新婦側親族の一群。なぜか座卓移動係となる新郎。さざなみのように退きゆく新郎側親族。
  • チャペルに移動する際、ドレスの裾をひっつかんでせっかちに歩き出す新婦に「今日は常に新郎様が一歩お先に…!」と叱責する介添係。そして先に歩き出した新郎には「今日は花嫁様に歩調を合わせてゆっくりと…!」と叱責。大変な役割である。
  • でもその後も一日通して、どーしても先に移動を始めようとする新婦の懲りなさに、毎回、新郎とカメラマン(友人)、介添係までが失笑。
  • 挙式の最中、賛美歌を歌っている間に「わたしこの曲知らないのに…」「なんでもっともらしい顔して歌ってんだろ…」と思ったらおかしくなり、ニヤニヤ笑っているところをカメラマン(友人)に撮影され、あとから「神父さんの歌声に笑ってたでしょ」とえらく失敬な誤解をされる新婦。
  • 誓いの言葉のとき、神父さんの言葉に対して無意識にうんうん頷いていたらしく、披露宴で友人の余興時にマイクを使って指摘される新婦。さらに「はい、誓います」の声がえらいことでかかった、とはてなー友人の当日夜の日記で失笑される新婦。
  • 祭壇から客席を振り向いたとき、新婦友人席に長身のはてなーの友人がカメラを構えてにやーっとしている姿が目に飛び込んで来て、思わず歯を見せて笑ってしまう新婦。
  • 挙式の退場時、おかしくなってきてゲラゲラ笑いながら、気付いたらものすごいスピードでバージンロードを歩き去っており、途中から「早い! 早い!」と笑いが止まらなくなった新郎新婦。
  • その後、親族紹介、親族記念撮影と続き、開宴前の披露宴会場に移動して司会者(友人)との確認、祝電チェックなどと合わせてケーキ入刀のリハーサル。銀のケーキカット用ナイフがすごくて、柄の片面に鶴、片面に亀が彫りこまれている! と興奮し、ドレス姿で巨大な銀製ナイフを振り回す姿をカメラマン(友人)に撮影される新婦。
  • 宴室担当のチーフウエイターの人がやたら面白く、リハーサル時に「わたくしがこの、ケーキナイフにかけたナプキンをプワアアアアッとはずしますので、そうしたらそれを合図に…」と華麗にナプキンを翻し、そのあまりの華麗さに思わずカメラを向けてしまうカメラマン(友人)。
  • お客が宴会場に入る間に、廊下や窓辺でスナップ撮影をしてもらう新郎新婦。長年の友人であるカメラマンに「あの…ブーケはあまり振り回さずに…ネ…」とたしなめられる新婦。
  • 披露宴開宴時、入場しようとしてまた先に歩き出しそうになる新婦。
  • 開宴直後、ウェルカムスピーチを始めたものの若干言葉に詰まり、しかしなぜか「今日お出ししているビールはS社のPレミアムMルツで、モンドセレクション最高金賞を三年連続受賞し…」と、自分の好きなビールを出しているよ、というネタになった瞬間まったく淀みなく口調がすべらかになり、S社の社員かよ、と会場中の失笑を買う新郎。
  • このホテルでは乾杯前にケーキカットを行う式次第となっており、リハーサルどおりにナイフ(鶴亀つきの)を手にケーキの背後に立つ新郎新婦、司会(友人)の合図で…と待っていると、どーいう訳だか「ナイフ、入刀!」と言ってしまった少々残念な司会…そのほかは完璧だったのに、ここだけ…!
  • さらに、新郎新婦が用意していた BGM(yanokami のアルバム)のうち、「気球に乗って」のサビ、♪さよなら、さよなら、さよなぁらぁ〜♪が鳴り響いていることがツボに入り、ナイフを入刀しながら涙が出るほど笑い転げ、撮影ができなくなる新婦。
  • 続いて、新婦会社社長による乾杯の発声時にまで「毒舌」と評されて会場中の失笑を買う新婦。ふつうこういうときって…褒めるよな…。
  • カメラマン(友人)に高砂での並びを撮影され、「シャンパンのグラスを手に、もっと顔近づけて!」と言われて「あらやだ恥ずかし」とニヤニヤ言ったら会場中に届いてしまい、大きな失笑を買う残念な新婦。
  • 司会者(友人)からのプロフィール紹介での、新郎新婦に対して事前に行われた簡単なアンケート的な内容において、新郎から第一印象が「よくしゃべる人だなあ」、その後の印象を「本当によくしゃべる人だなあ」と言われる残念な新婦。
  • 出てくる食事すべてを次から次へと平らげ、その様子をつぶさに撮影される残念な新婦。
  • テーブルを回って歩く度、「S社との関係は…」と尋ねられ、してやったりな新郎。
  • 新郎親族テーブルで親戚の一員みたいな老成した振る舞いで新郎新婦の苦笑を誘う新郎友人(20歳)。
  • 新郎新婦が窓を背負って座っているような配置の宴会場において、あまりにも天気がよかったせいで、「各テーブルから呪文のように『逆光が…』『逆光が…』という言葉が聞えた」(カメラマン談)。
  • 「お料理おいしーよー」と言ってくれたはてなー友人に「コンソメ、おいしかったでしょ? なんかもう、いろんな味がして何が入ってんのかわかんなーい、みたいな!」と興奮して応え、「や、肉だから!」と即座に突っ込まれる新婦。
  • はてなーの友人たち(女性)に背後を囲まれ、「このボタンを外したい」とドレスの上に羽織ったボレロの背中のボタンをいじられる新婦。
  • 魚料理の時点で「あたしなんてもう赤(ワイン)ももらってるんだから!」と自慢する残念な新婦の母(酔っ払い)。
  • 友人のテーブルを回って司会者(友人)(下戸)にビールを注ぎ、新婦から「(彼は)飲めないから」と声をかけられると「大丈夫よーう!」となぜか自信満々に応える新婦の母(酔っ払い)。
  • お祖父様が日舞舞踊家でらっしゃるという新郎友人と母を引き合わせると、彼の言葉をまったく聞かずに同じことを何度もまくし立て、宴会の次の段取りに進むのを阻みまくる新婦の母(酔っ払い)。
  • 友人(独身)の余興(歌)の前の挨拶で、「お母様にこの先の人生を励ますお言葉までいただいて…」とマイクで失礼なトークを暴露される新婦の母(酔っ払い)。
  • お開き口に両家両親、新郎新婦の6人で待機する段になってから、遠方から来てくれた友人への心づけを渡し忘れたことに気付き、スタッフ一同の制止も聞かず、皆が見ているお開き口から一度テーブルに堂々と戻っていってしまう新婦の母(酔っ払い)。
  • お開き口でなぜか、チーフウエイターさんに「では、カメラマンの…リエ様、で宜しいですか?」と下の名前で呼ばれ、腰が砕けるカメラマン(友人)。

ほかにも、いろいろいろいろ、面白いことがたくさんあった、忘れられない一日であったことでした。ああ、楽しかった本当に! えへへ。

*1:「結婚する」が marry という動詞よりも married という形容詞形、というような? 「get married」的に、「状態が始まる」というような表現なのがすごくしっくりくる! っていうようなことです。ってなんかウザいなわたし!