TV Bros.

新譜レビューコーナのトップタイトルにグループ魂嫁とロック」が掲載。びっくりしたのは、魂が取り上げられること自体よりも、それがトップタイトルに挙がっていることに。あと、レビュアが2人とも肯定的ではないコメントを寄せていることにも驚いた。この位置に挙がる音源で、2人とも*1に辛いこと言われてるの初めて読んだよ。へー。
ここで言われているのは、パンクと言いつつ音がお行儀よすぎ、コントも壊れてなくてかっちりしすぎ、みたいなこと。ごもっとも、って感じ。多分、ここで物足りないとされている点、まとまりのよさみたいな点って、裏返せば魂の強みでもあるんだと思う。紅白出るのもギリギリでアリ、っていう感覚っていうか。20年前、バブルを知らない世の中でスネークマンショウが生まれたことと、今の世の中で魂が売れていることと、その文脈の違いを無視して比較しても意味ないんじゃないかと思うけどでも、作品の絶対的な価値を計る、っていうのはレビュアとしての正しいスタンスだとも思うしなあ。
この、魂の冗談のシュミを問う、みたいな角度で言えば、やっぱり行き着くところは宮藤官九郎センス、アリやナシや、ってところに集約されるんだろう。でもブロスという雑誌としては宮藤ドラマ全面肯定な訳で、その雑誌の中にあって、このコーナーで、レビュアがこの音源をメインで取り上げて辛めのことを書く、というチョイスをしたことが、わたしにはものすごく興味深く思えるのだった。奥歯にモノを挟んで言ってる訳じゃないよ、ホントに、この取り上げ方はすごいと思う。
言うてもこの人たち、こないだまではバンドじゃなかった人たちなんでね、こうやって真面目にレビューされてること自体が面白いとゆーか、真面目にレビューしてるレビュアが偉いとゆーか。ほんでもって、いよいよ退路をふさがれて来ている感じもする。冗談では済まされなくなって来ている感じ。どうかわしてゆくのか、演出家のお手並み拝見とゆきたい。まあ、そこまで恣意的なのかも微妙なとこありますけども。

*1:トップタイトルだけがレビュア2名での併評になっていて、他のタイトルはレビュア1名だけ。文章量もトップタイトルが格段に多い。