ZAZEN BOYS "TOUR MATSURI SESSION"/ SHIBUYA-AX

開演間に合わず。入ったときには「USODARAKE」が終わるところだった。感想メモ。

  • 客席男子多い! 「SEKARASHIKA」なんかで飛ぶ怒号がちょう気持ちいいったら。ダイバーも多くて、皆フェンス前の通路をだーっと走ってフロアに戻ってゆくのがなんか面白かった。フェンスの切れ目のところにいたせいで、いっぱいのダイバーに足を踏まれたぜ。
  • 向井ちゃん、散髪済みのすっきり頭*1でアロハシャツ。チンピラモードですね。カシオの前髪も短くって爆笑。切りすぎたんじゃないの? 大丈夫なの? あの子の顔立ちとか雰囲気って何なんだろう、女子っぽいのに、半袖シャツからびっちり見えるタトゥ。いやあ、佇まいがめちゃめちゃ面白い。日向っちの弾いてるときのアクションが好み。拍を身体で取るときに、どの部位で裏を取るか、そこのところを「ブレイクポイント」というらしいのだけど、ひなっちの首の後ろで刻んでる拍が、わたしの体感にすごく近いんだと思う。妙に気持ちいーのよ。松下さんのドラムは、何かもう、太鼓だな。どすんどすん言ってて重くて格好いい。
  • セットが何もない AX のステージを観たのは初めてだった。ステージの背面に、普通だったらスクリーンを置いて舞台裏の通路とかと区切るのだろうところを全部ぶち抜いていて、びっくりするくらい奥行きのある状態で、手前のほうに小さく、4人のセットを密集させて並べていた。ステージ上部には照明用のタワーだけが何列も横断していて、色数を極端に減らしたライトがぶらさがっている感じ。色がついてるライトは、緑と、赤がいくつか吊るされていたくらいで、白熱灯みたいな白い灯りをメインに、強弱のある照明演出を見せてた。向井アコエレ@九段のときにも、照明のセンスが結構ツボだったんだよねえ。誰がやっているのだろう。音に合ったストレートな演出ですごくいいと思う。
  • 狭いところに密集して集まった4人が、ぶっとい音で、重っいビートをぼとんぼとんと刻んでいる。何か、わたしはここ3ヶ月で10本近くのアコエレを観てしまって、すっかり向井さんが一人でステージに立っているのを見慣れてしまっていたんだけど、他の3人と一緒に音を鳴らす姿を観たら、ちょっと胸がぎゅーとなった。別に表情に出たりとかはしてないんだけど、何か妙に…幸せそうだなああの人、と思って。やっぱりバンドはいい。恥ずかしいくらいそう思った…って、一体いくつなんだわたしは。思春期か。
  • 「安眠棒」、重かったー。これは好みが分かれるんじゃないか、わたしは足腰にどがどが来る重さがツボで、変にビートを軽く早く刻まれるよりも気持ちよく感じたけども。疾走感を求める人も多そうなので、もどかしそうにしてる人も結構いた。結構混んでいる場所に後から入って来る形になってしまったので、しばらくはじっと立っていたのだけど、「SEKARASHIKA」のイントロで勝手に揺れてしまった。♪うるせー♪と絶叫する向井ちゃんにぽわーんとなる。ちくしょー格好いいなあああ。
  • 新曲2曲。ピクシーズの映画が公開になるのだそうで、そこにコメント(フライヤーとか?)を寄せたらしく、そのへんのことから「ピクシーズを聴いてた頃の感じで」とか、そういうようなことを言っていたような。ああもうごめん、曖昧にもほどがある。タイトルは「1989」と「イレイザーヘッド」。「1989」はビートがエイトなのにびっくりしたんだけど、案の定2ちゃんではナンバガ呼ばわりされていた。「イレイザーヘッド」は「歌詞は…頭、記憶を消して、って、いつもと同じようなことです」としれっと言う向井ちゃんが素敵だった。うん、フレーズはなんかもう、まんま「性的少女」。
  • 「黒い下着」、ライブテイクは音源含めて初めて聴いた。あの曲ばっかみたいだねえ、皆で♪真っ黒けっけのしーたぎ♪って歌ってんの、男の子たちが拳振り上げて。ホントばっかみたい。最高。「Suger Man」のカシオのギターとの掛け合い、生で聴くとすごいのなー。「大学生」はひどく重く刻んでて、これはしんどくなっちゃう人がいそう…! と思った。
  • 「COLD BEAT」のドラムが、んもーーーたまらん。この曲は…結局 6/8 なんだよね? 何か ZAZEN というと変拍子変拍子と言われがちだけども、この人たちの変拍子は「踊れない」変拍子じゃない。ずらして肩透かしする変拍子じゃなくて、ずれが生理に気持ちがいい間になってるというか。邦楽(鼓とかお三味線とか)の「間」みたいなんだよね。日舞をやっていたわたしには馴染みを覚える「間」に聞こえる。…こじつけか? うん、そうかも。
  • 「半透明」でギターの弦をぶち切った向井ちゃんがあまりにも格好よくてしびれる。この曲、ふんとに格好いい。歌い出しの♪街は騒(そう)〜♪…んところがどうしたって絶叫になるようにできているのが素敵だ。絶叫向井が大好物。ラブ。でも、アンコールでもう1回「半透明」やったのでびっくりした。カシオが一瞬、ぐにゃっと噴出していて、向井ちゃんの暴走…いや、暴走とは言わないけど、何か、やりたかったんだなあもう1回、と思った。また弦切ってましたけどね。はは。
  • 「WATER FRONT」、アレンジがすごい違っていた。劇的。あまりにも劇的すぎて呆然。まずは向井さんが JUNO を弾きながら歌っていて、イントロだけじゃなくて1コーラス全部を歌い切っていた。それもびっくりしたけど、そのときのサビのコードの解釈が全然違っていたのだな。鍵盤の弾き語りで歌う向井、という構図にも、あのコード展開にもぎゃっとなっていると、どーん、と楽器が入ってきて、それもまたあのコードを鳴らすという。わあ、思い出しただけでじたじたしてしまう。格好よかったなあ…(とろーん。
  • ともあれ、ZAZEN の音圧はいい。ホントに。向井さんは格好よすぎてムカつくわ、なんか。久々に男の子が主役になっているライブに行って、こっちのほうにいさせてもらってる感じ、居心地悪い感じがなんか、すごくよかった。あの子たちが真面目な顔で「向井ーっ!」と叫ぶ声を聞いていると、母さんきゅんと来るんだよ。何なんだろうねこの感じ。たまらんかったです。
  • 多分、ライブとしてはまだ全然硬いというか、彼ら自身が緊張しているようにも見えた感じがあって、やっぱり来月の CITTA' に行ってその後の変化を観てみたいなあと思った。アコエレのときは、ツアーを重ねての成熟と、完璧に個人に依存しているコンディションだからムラが出やすい、という要素とで相殺されちゃってる感じがあったけど、バンドはさすがに、ツアーが進めば、その日のコンディションを超えたところで滲むものもありましょう。遠いんだけどね、川崎…今度はちゃんと頭から行けたらいいなあ。

*1:散髪前の鍋会の模様がこちらに。 → http://d.hatena.ne.jp/yoshidahajime/20061124 こうやって見るとこれはこれで何かこう…かわいい? 感じ? か?