ポツドール「恋の渦」

観てきた。んもー面白かったなあ、めちゃくちゃに。あんなに今日びの若い男女はセックスのことしか考えておりませんの? という誇張はさておき、自己中心的な変な理屈で生きてて、コミュニケーションなんて明らかにできてないのに、それでも甘える相手はいつでも必要で、価値なんてないと思ってるのに、いちいちセックスセックスセックス、な若者どもが、なんつうか、面白かった。生き物として。「わーまたやってるこいつら」みたいな、うわあっていううっとおしい感情が、何度も何度も繰り返される2時間ちょい。あの芝居を3時間半とか観せられたら、ぎゃー!ってなりそう*1だけど、この芝居は丁度よいサイズだったかもしれない。
何つうか…最後の最後、暗転と岡村ちゃん*2ドーン! のきっかけの美しさと言ったらなく、意外と三浦さんて、綺麗なものが好きなのだろうなあ、という気がちょっとしたかも。いやあ、面白いねええええ、ポツドール。「夢の城」をチケット取っていたのに流してしまい、その後の女子部公演も面白く観たんだけど、本隊の公演は今回が初めてで、これは相当好みのど真ん中だなあと思った。夏に見損ねたのがホント悔やまれる…あ、演技者。の「男の夢」は楽しく観ていたので、一応あの段階で、好みだってことは分かっていたんだけどもね。その演技者。でもやっていた「激情」の再演が次回公演だそうだ。絶対面白い、という感じで楽しみにできる劇団が1つ増えて嬉しいなあ。
ただ、隣の席がすごーく大きな…いえ、太った男性で、逆側の隣も結構大きい女性で、なんか、挟まれて辛かった。殊に男性のほうは、力を抜くと腿がわたしの椅子のほうの半分くらいの位置まで来てしまう感じで、なんか、知らない人の腿がべたーっと自分の腿に触れてたりとかいう、相当な苦行を強いられた。しかもその人、流れる汗を白タオルで拭いながら見ていて、腕とか肩もな…触れてくるのがな…あと、セックスシーンになったら鼻息がすごいの。別に悪い人だと思わないけども、そりゃあもう、非常に辛かった…。
あと、終わったあと、出口近くですぐ後ろにいたカップルが

女 「意味が分かんなかった」
男 「ちょっと青年団ぽい…」

と話していたのが聞こえて笑った。っていうか、青年団は絶対に違う*3と思う。怒られますよ*4

*1:そしてホントは、ぎゃー!ってなるようなのも観てみたい感じだ。それくらい好みだった。

*2:岡村靖幸ソングが SE として大量使用されていた。

*3:多分、「静かな演劇」的、という意味だったんだとは思う。普通の会話のトーンに近い発声とか、客席に平気で背中を向けて芝居をするところとか、クロストーク(舞台上で会話のやり取りが同時に複数発生する)が多いところとか、を言ったのだろうということは分かります。でも、「意味が分からなかった」ことの理由ではないよな、それは。

*4:以前、キックザカンクローのゲストが古田新太さんだった回で、大人計画やハイレグの人たちはあんな芝居をやっているのに普段は上品で、シモネタとか全然言わない、と古田さんが言っていて、舞台と楽屋の落差の話になっていたとき、「キャラメルボックス青年団の人たちが、楽屋で『きのうフェラしたら…』とか話してたら面白い」という古田さんに、「怒られますよ」と宮藤さんが言っていた。本当、怒られますよ。