ふるチン

やっと聴いた先週土曜の放送。ゲストは「番組初J」とのことで、佐藤アツヒロくん。いわゆるアッくんですね…え、いわゆる? まあいいか。
割と単純バカっぽい持ち味のようで、関西弁の子なんだなあ、と思っていたら、芝居の台詞が関西弁だからということで、稽古場の日常会話も関西弁に統一されているせいらしい、とか。トーク全般まっすぐで好感が持てたのだけど、その中で古田さんが言ってた「Jには独特の『素』がある」という話がものすごく面白かった。「人目に晒されてナンボでありながら、その状態を素としてリラックスできる特性を持っている」っていう話。芸人でも役者でも、人前に立つ職業の人はいきおい裏表ができるものだけれども、Jのタレントさんたちは表の振る舞いが裏でもちゃんとできる、というのが、なんかものすごく納得感が。
なんか、わたしが古田さんに弱いなあと思ったのって、こういうことをさらっと見抜くところとかなんだと思う。クレバーな人ですよね。でも頭でっかちなところもなくて、身体を使って色んなことを見抜いて、なおかつそれをとてもクリアできれいな言葉で説明することができているっていう。毎々むやみに感動させられてしまうよ。理屈だけではなくて、感情の挟まるのりしろもたっぷり設けて物事を考えてるし、感情だけには流されない理性もあって。本当の意味で賢い人だなあと思う。
何よりすごいと思うのは、理屈と感情との両方で、色んな人の立場をシュミレートする能力に長けているところ。世の中の仕組み全般に関心が高いし、他の業界の仕組みで戦っている人とも会話がスムーズにできるんですよね。この番組、演劇関係者がゲストのときの演劇バカ話も楽しいのだけど、他のジャンルのゲストとの古田さんの会話の聴き応えはものすごいものが。そのくせひどいシモの引き出しもあって、絶対他人に渡さない領域とかもありそうで、なんか…普通にいい男だのう、と思ってしまうんですがどうしたら。この中身であのルックスで、あの声で、舞台の上に立つから余計に、っていう感じなのかなあ。ラジオ聴いてたら、なんか、すきになっちゃうよねえ(バカ。
そしてそんな古田さんの演劇バカ話サイドが炸裂の今回、本番での台詞の噛みについて、「ここ18年くらいまともに台本どおり言えたことなぞない」「今、俺は噛んだけど、笑ったら殺す、という殺気を背後から客に放つ」「自分が間違えたら後輩を睨む」「(橋本)さとしくんは人の台詞を聞かない役者さんなので、睨むと分かりやすく動揺してくれたから、新感線にいた頃はやりやすかった」等々、不良役者っぷりが冴えていて笑った。殺気、て。でも、こんなひっどいこと言ってても、「地獄八景」の読み方を安東アナが「じごくはっけい」と間違えたとき、「『地獄八景(じごくばっけい)』は上方落語でも大ネタで、米朝師匠の十八番と言われたけど、師匠でもコンディションがいいときじゃないと絶対できないくらいもんのすごく大変なネタなんだよ」とか、さらーっと言う訳で。うう、そんなところも格好いい。まいる。