遊園地再生事業団「ニュータウン入口」(仮)通しチケット取り扱い

そんな宮沢章夫さんの新作情報。っていうかまず公演概要から。

■ プレビュー (1)「リーディング公演」
会場:森下スタジオC
2007年4月20日(金)〜22日(日)

■ プレビュー (2)「準備公演」(内容未定)
会場:森下スタジオC
2007年6月29日(金)〜7月1日(日)

■ 本公演
会場:三軒茶屋 シアタートラム
2007年9月21日(金)〜30日(日)

この公演のキーになっているのは「十四歳」でもあり、それはまあ例のあの事件の話でもあろうと想像もする*1し、あの事件からさほど時間の経っていない時期に、宮沢さんは「14歳の国」という作品を書いたりもしていた。
上述のような感じで、本谷有希子「遭難、」を観てわたしが感じた「学校という特殊な空間への目配りの貧しさ」は、例えばこの「14歳の国」のような舞台との対比で考えたときに殊にくっきり浮かび上がる種類のもので、十四歳が危ない、とヒステリックに取り沙汰されていたあの時期に上演されたこの舞台は、キレる子供を取り締まるべき中学教師たちの物語として描かれた会話劇で、持ち物検査の陰湿さや、人間が人間を取り締まることで生まれる歪み、教師間での力関係…等々、「学校という特殊な空間」をネタに取った、寒々しくもオモシロ怖い作品だった。後に「演技者。」で大根仁さんがドラマ化しており、こちらは確かセル DVD で流通しているはずなので、興味のある人は観てみたら? と思う。まあ、観てもいいし観なくてもいいけど。
そして、今になってニュータウンだ。ニュータウンと言えば、西東京で育ったわたしにとっては多摩ニュータウン。そうです、昨夏の「大人計画フェスティバル」の舞台となった多摩センターを含む地域。そんな訳で、去年5月にわたしはこんなことを書いていた。
http://d.hatena.ne.jp/oolochi/20060524/p1
シンクロニシティと呼ぶのも憚られるけれど、わたしは確かに、ニュータウン的な寒々しさをまとう同級生たちを見て、子供の頃からその不思議さを身近に感じていた。だから宮沢さんが描く土着の物語としての「ニュータウン入口」がとても楽しみで仕方がない。
ちなみに、太陽の塔のある千里ニュータウンも「ニュータウン」だし、今回のこの作品ではなんか、遺跡発掘がキーになりそうな雰囲気もあり、近年の大人計画の公演モチーフとも若干かすってる*2部分があって面白いなーと思った。ま、こっちはこじつけか。うん。

*1:かつてあの事件の起こった街を歩いた、という記述を宮沢さんのweb日記に認めたことがある。探す気がないので詳細はリンクとかしないけど。

*2:千里は2006年の「まとまったお金の唄」、遺跡発掘は2004年の「イケニエの人」。