スローライフでいこう―ゆったり暮らす8つの方法/エクナットイーシュワラン

スローライフでいこう―ゆったり暮らす8つの方法 (ハヤカワ文庫NF)

スローライフでいこう―ゆったり暮らす8つの方法 (ハヤカワ文庫NF)

こっそり拝見している某はてな素敵女子の方が日記で書いてらしたのを読んで、気になったので。どなたの日記なのかは、そちらをご覧になってる方なら分かるだろうから省略。はずかしくてトラックバックとかできないんです、素敵女子すぎて…!
タイトルがアレなのでアレですが、とてもユーモアのある生活術、みたいな感じの本でした。啓蒙書ではなくて、どっちかっていうと実用書っぽい。現代社会で神経が昂ぶってとがってるのを鎮める方法、みたいな感じで、この本ではそれを、社会のスピードに釣られて心も思考も行動も加速している状態を「スローダウン」させる、って表現していた。だから、昨今の日本で使われてる「スローライフ」とはちょっと、違うといえば違うことが書いてあった。
作者はインド出身の男性…と書くと、「ああ、そりゃスローだわ」って感じちゃうけど、大人になってアメリカに行って、大学の英文学教授として忙しい生活をしていた時期をもつ人だそうだ。だから、忙しい人の常套句のあれこれ(「そうしたほうがいいのはわかるけど、わたしはそんなに暇じゃない」みたいなこととか、「あなたにはわたしがどれだけ忙しいのか分からないんだ」「わたしがいないとこの仕事はどうにもならないんだ」みたいなこととか)がとてもリアルだった。その言葉も、それに対する「あなたがいなくても実はそんなに変わらない」っていう指摘とかも、身に覚えがあって、あー、って思った。わたし自身、何年か前までは仕事で忙しいことを理由に、本当にいろいろなことを粗雑に扱っていた時期が長くて、それを今すごくすごく反省しているので、しみじみ沁みた部分があちこちあった。
ただ、瞑想をして平穏な心を手に入れる、というようなのが本来の趣旨なので、そこまでは…っていうのが正直な感想だったかも。ただ、自分を尊重してほしいならまず相手を尊重しないといけない、とか、忙しいからと人の話を聞き流すのではなくて人の話を聞くときはその話を楽しもうと集中して全力で聞くべき、とか、食事をするときはながら喰いではなくて食事に集中して楽しむべき、とか、いくつか、なるほど、と思うところもあって、そういうところだけ都合よく取り入れてゆきたい。満員電車でイーッ! てなったときによく思い出します、この本に書いてあったことを。それがわたしの「スローダウン」のやり方ってことかね。