パッション・イズ.オール! それを整理するのはユー!

最後にひとつだけ言っていいでしょうか。経済効率、悪すぎ。この2日間のためだけにネタを考えたり、曲を作ったり、ユニットをでっちあげたり、それぞれの練習をくり返したり。ご本人たちとスタッフの、ここに至るまでの準備を想像して、気が遠くなりました。おかげでこっちはすごく楽しかったけど、「大丈夫?大人計画」「これクドカン阿部サダヲのすべての仕事の中で、もっとも割が合わなくない?」と、心配になりました。せめてDVDにするとかして、少しでも元をとってほしい。

朝イチでpeatさんち*1で拝見して、いそいそと読んだ RO69 の兵庫さんのぱつんぱつんフェスの翌日レポに失笑したので昼休みメモ。
peatさんも書いてらっしゃるが、「経済効率」とやらを考えていたら演劇なんかやるバカはいないし、つーか元々ロックとゆーものだってそうだったんじゃ…? と思ったんですけどもいかがなものでしょうかネ? あれですかね、ロッキンオンが主催すればもっと「経済効率」に優れたフェスにしてやれるのにな、みたいな? ロッキンオンはいつの間にフェス屋になったのかナー? その割にはアーティストやオーディエンスの立場無視してよそのフェスと喧嘩*2とかしとりますが…ロックの名を社名に掲げ、一体何がしたいとゆーのかに?
いやね、他の関係者のことは知りませんけど、宮藤官九郎とゆーひとは、経済効率を考えた仕事ができるからこそ今の立場にいるはずなんですけど、そういった大人の技能を持ちながらも、本質としては「経済効率なんて丸無視の、ものすごーーーーーーーく無駄な、パッションだけで突っ走るようなことがやりたいんじゃあ!!」という欲求をどーしても捨てられずにいるひとなんだと思うのです。来年で40になるとゆーのに、不惑どころか惑いっぱなし。
だからみんなくどうが好きなんだし、たまーに満を持してしまったくどうが「やるっつったらやるんじゃあ!!」と言えば、どれだけ経済効率が悪くても、それを叶えようとするスタッフや演者、それから、それを支持してお金を落とす客がちゃんといるってこと。その無駄なパッションだけで周囲を惹きつけているから、宮藤官九郎はすごいし、特殊。そういうことだと思う。あの貧相な中年が、ロックだったりパンクだったり、という形容が未だ本気で似合うひとであり続けているのは、ひとえにこの特殊性ゆえだと思うのですけども。
ちなみにこのエントリのタイトルは、99年の「ウーマンリブ発射!」のフライヤーに宮藤さんが載せたとゆーフレーズでして、何故「.」と「・」が混ざっているのか? といった点も全部含めて、宮藤さんがやってんのは10年近く経ったって相変わらずそーゆことなんじゃねーの? って思う。情熱がすべて。ただやりたいだけ*3。恐ろしい理屈ですが、それが真相だと思われる。兵庫さんが「割が合わない」と断じた「仕事」が、宮藤官九郎宮藤官九郎たるゆえんだとゆーことは、グループ魂を面白がるマインドを持っているファンであれば誰でも知っている。それがわかんないのはなんか、お金のにおいにばっかり敏感になっちゃった大人だけだと思うよ?
ちなみに、こんなことを書いているわたしは秩父には行ってません。今の個人的物理的な状況が、パッションだけで秩父まで行って雨に濡れる、という選択を許さなかったから。秩父て、なあ。だからこそ余計、宮藤さん(わたしの2歳上)がやってることの無駄っぷりと、「ホントにやりたいだけでやってるんじゃなきゃそんなことやらんよね…」っていうのがよくわかる、ともいえる。それを面白がる以外の評価をしたって、本質的には無意味だぜ? プロがそれ見誤ってどーすんの?
大丈夫? とこっちが訊きたいくらいであります。がんばれ、がんばれロッキンオン。

*1:id:peat

*2:http://www.rock-net.jp/fes/08/ の「日本のフェスのこれからを考えるために」参照。

*3:C:ルースターズだ!