三十三間堂について

週末の京都旅行で行ったのですけどね、三十三間堂
高校の修学旅行以来で、しかもなんかそのときはグループ行動で、時間が足りなくなっていたか何かですごい早足で通りすぎた記憶しかなかった。大人になって改めて観たら、んもう、なんともおもしろい場所でびっくりした次第。
千体観音(少しずつ顔が違う金色の観音さまがたくさんいるっていうやつ)の顔は遠くてあまり見えなかったんだけど、その手前に陳列された風神雷神と二十八体の…あれは何? 観音? 今調べたら「二十八部衆」とあるけど、それが何なのか知識がなさすぎてよく分からない…。でも、梵語を元に漢字を充てたような名前の、えらく特徴的な像がずらずら並んでいて、説明書きが上手なのもあって、物語性が強くて飽きない。このヒトはこのヒトの嫁さんよー、とか、このヒトは鳥(金翅鳥?)だからクチバシと羽根があるのよー(本当にあった)、とか、その鳥に乗るのがこのヒトよー、とか。しかも真ん中にある千手観音のでかいことでかいこと! 四天王も従えちゃって、まあご立派なことったら!
お堂自体もユニークで、三十三本の柱によって支えられている細長いお堂、っていうのも行ってみて実感した。本当に長いよ! でもその長さを、矢を射って届かせる「通し矢」という競技が昔流行ったのだそうで、お堂の軒下の端に座ってあっちの端まで、一昼夜で何本届かせられるか、というのを競う競技だったんですて。一昼夜て!
しかもあまりに流行りすぎて浅草にも競技用の三十三間堂ができたー、とか、24時間かかって1万本以上届かせて「天下一」の名乗りを上げたー、とか、その翌日に別の人がもっとたくさん届かせて「天下一」を奪還したー、とか、説明パネルを読むにつけてアホか! とげらげら笑ってしまうようなあれこれが。なんでも6秒とかに1本射ってたんですてよ、24時間テレビどころじゃないよ? 「矢継ぎ早」という言葉はこの競技で次々矢を放つさまから来ている、とか、言われてみればなるほど、と深く納得してしまう豆知識まで得ることができて楽しかった。
あと、あの千体観音はずっと「誰でも自分に似た顔の観音がいる」っていうことなのかと思っていたんだけど、「お祈りする人が会いたいと思っている人の面影を宿した観音さまが必ず一体はある」という意味なんですて。あらー、ロマンティックじゃないのー。そんな感じで、いろいろ「ほへー」となることが多く、しみじみと楽しい観光でした。