流星の絆

今期のドラマについて書きたいな…とぼんやりしている間にもう明日最終回?! と焦ったので、昼休みを利用して書き飛ばしておくことに。むぬすごく雑です。ごめんなさい。
このドラマ、何がいいって有明三兄弟がすごくいいんだと思う。3人とも一分の隙もなく、どの角度から見てもかわいく映っているし、ちっちゃい人たちがわちゃわちゃひっついてて、人間(いや日本人?)古来の価値観的にも、小さい=かわいい、とニヤニヤさせられる。J 事務所のタレントさんは劣化が始まる年齢に差し掛かっても、それを認めない振りをさせられて、過酷な立ち位置でドラマに出演しては、アップになるシーンなどで残念な空気をかもしてしまうことがある気がするんですけども、今回のこの2人は今、すごくルックスが美しい、いい年頃だなあと思う。戸田恵梨香ちゃんだってむちゃくちゃかわいいよね、旬のジューシーな、ピッチピチした感じがあって。見た目はかっわいい女の子なのに、声がちょっと低くてぶっきらぼうに聞こえるのも、どんくさい感じがしてかわいい。ホントにグッドルッキングな3人が揃ってる、というのが前提として、ものすごくいいなあ、と思う。
で、この3人の元のルックスがいい、っていうのに加えて、物語的にもこの3人のキャラクターがたまんないんですよね。それぞれ、暗い、とか、大雑把過ぎる、とか、ツメが甘くて甘えん坊、とか、ダメな部分も持っているけど、基本的には3人ともすごくいい子で、お互いをとても大事に思ってる。3人がお互いの得意分野と不得意分野を分かっていて、当たり前のように役割分担をして支え合っている。両親を殺された、という事実に対する認識の仕方も、性格、性別、当時の年齢によってちゃんと温度差がついているし、全員が別の種類のひたむきさを兼ね備えているのが実にいとしいなあ…と観てる側に思わせる出来になっていると思う。
わたしは原作読んでないので、どこまでが原作の力でどこからが脚本の力なのかわからないんですけど、ただ、このドラマを、ドラマとして見たとき、静奈の描き方に宮藤さんのお父さん目線のようなものをちょっと感じた気がして面白いなあと思ったりした。静奈がね、これまでの宮藤さんのドラマに出てくる女の子の誰よりもかわいいんですよなー。しかも、かわいい、の種類がちゃんと、親兄弟から見たかわいさ、になっていて、キレイな女優さんが演じているからかわいいんじゃない、無条件の愛情をくれる人に女の子が見せる無防備なかわいさ、になっていて、役者さんの力もあるんだろうけれども、そこがなんとも、かわいいのですとにかく。あまりにも静奈がかわいくて、観ててぎゅーってなってしまう感じ。ああもうかわいい、かわいいよ静奈。(誰?)
あと、今回脚本、ということを強く意識させられるポイントとしては、にのみやさんの扱い、というのがあって、まあ、後半物語が詰まってきてからはさすがにアレですが、前半の扱いのひどさ≒面白さがたまんなかったなあと。わたしはにのみやさん自身、役者さんとしてかなり好みなのですが、彼はハリウッド体験が変な箔として機能しているというか、使う側としては身構えちゃう役者さんなんじゃないのかなーって気がしていて。世界のニナガワとか、倉本さんとか、ある意味錚々たる大家との仕事も話題になっていたしね。そこに、宮藤(脚本)磯山(P)コンビがどう切り込むのかを楽しみにしていたら、蓋を開けたら「にのみや芝居の深刻さを客観視して茶化す」って方向に振れていて、わーそれやっていいのか?! みたいなハラハラ感もあり、ホント楽しかった。
実際、にのみやさんの芝居は基本、重い芝居ですよね。声の芝居がうまい(「鉄コン筋クリート」よかったー)せいだと思うけど、抱えてるものの重さみたいなのを出すのが自在すぎて、どう引き算するのか、っていうことのほうが難しいのかなと。その点で、普段から深刻そうな人ってことにしておいて、本当の深刻さを出したいところ以外ではそれを茶化す人を常に配置しておく…っていうやり方は本当にうまい。結果的に、茶化し役をたくさんそろえなきゃいけなくなって、中島美嘉とかイボリー尾美さんとかのキャラクターが必要になっちゃったんでしょうけど。要さんだって、何もスーツでリュック背負ってる必要はなかった訳で、そのへんも全部、茶化しのための機能、っていう風にも受け取れて、そう思い至ったときに、なるほどなあ、と腕組みしたくなるような心地がした。
で、ここで唐突に真犯人の話をしますけども。先週の放送で柄本明さんが犯人じゃないという話になって、推理小説での約束事「謎を解決するのに必要な要素は読者が知りうる形で作中に登場していなければならない」に則れば、事件当時、生前の有明夫妻と面識があったことが分かっている大人、じゃないと真犯人としては成立しない訳です。そしたら、3人いるんですよね。静奈の本当の父親、柄本さん、あとは…あの人。前2人は既に「犯人では?」という精査を経ている訳で、残るのはあの人だけ、ということになるの、か? な? っていう…ここ2話くらい、にのみやさん演じる功一があの人にようやく心を開いた、みたいに見えて、涙を誘うシーンがいくつかあったけど、それが真犯人発覚時に功一が受ける衝撃へのフックなのかなあ、ってね。しかも次週予告では、「なんで殺した?」みたいなことをにのみやさんが、屋上で叫んでいるシーンがあって、屋上を知ってる人っていったら…先週屋上に呼び出されてたよねあの人?って思っちゃったという次第です。…う、違うか? 違うか?(ものいい)
いえ、何度も書きますが、原作読んでないので真犯人のよそうは適当です。が、上で書いた「にのみや深刻芝居の茶化しのための機能」ってことで言うと、あの人だけ、主要な登場人物の中で功一を茶化す機能を負っていないんですよね*1。ある意味、あの人だけが功一を中心とした物語世界において異物感を伴っている。茶化してる人が犯人、っていうのは、多分、視聴者への裏切りになるからやれないと思うし。なので、ああ、あの人かあ、ってわたしは思っております。さーて、どっかなー。
明日、このエントリが消えてたら、予想があんまりにも見当外れて恥ずかしかったんだと思ってください。ぬふふ。
と、真犯人予想とかしてみたものの、本当はそんなこたあどーでもいい。それより、とにかく有明三兄弟がかわいくてたまらない、という話。にしきどくんも、「ラスト・フレンズ」との落差が大きい、というのを差し引いてもすごくいいよねえ。最初にこのドラマで彼を見たときに、わあこの人の芝居を見るのが初めてみたいな気持ち! なんで? って思ったんですが、考えてみたら、このドラマでは彼がよっく笑ってるからなんでした。「ラスト〜」では無表情だったもんねえ。大きな口をあけてニカニカ笑ってる姿がすごくかわいくて、バカの持つ勢い、みたいなのはこれまでの宮藤作品で長瀬くんが演じて来た役には敵わない気がするけど、その弾け切れない感じもまた、三兄弟の真ん中、次男っぽさがすごく出ていていとしいなあと思う。3人とも、キャスティングも脚本(だか原作だか)もいいんだろうねえ、あの三兄弟が明日で観られなくなるのが寂しいです、ホント。
あ、あと要潤がトクな役過ぎて笑ってしまうほど、あの役柄も要さんの芝居もすごくいいなあと思う。おハギさんも勿論ものすごくいいよ、だって設楽さんだもん!(盲目) …いや、この2人だけでなくて、脇役に至るまで、出てくる人みんな、身勝手さがあまりない、いい人たちとして描かれているドラマだなあと思うんですよ。身勝手っちゃ身勝手かもしれないけど、身勝手のレベルが浅いというか、人間として、基本のところが崩れてるようなこわい人は出てこない。でも、それぞれの悲しさみたいなのはちゃんと描けているから、薄っぺらく感じさせないのかなあとも。多分、コマーシャリズム的には劇中劇、とか、コスプレ、とか、そういう要素が特徴とされるんでしょうけど、宮藤ドラマとしてはそんなのはいまさら…という話であって、わたしがこのドラマで好きなのは、上述のとおりに三兄弟がむちゃくちゃかわいいという点、あと、人の描き方がやさしい、という点です。バカでやさしくて悲しい人たちの物語。わたしの愛する宮藤作品の世界観が、もろもろの要素に負けずに詰まってて、すごくいいドラマだなーと思ったという次第。
要するに、明日の最終回が楽しみだ、ってことでした。一週間がんばった後のごほうび感覚で観てたので、終わっちゃうの寂しいス。ションボリ。

*1:厳密に言うと、国広、柄本も同様に「茶化しの機能」を持っていないのですが、これは「犯人ぽい人」という役回りを途中途中で演じるために必要だったのかなーと。