色即ぜねれぃしょん

そんな訳で京都で観たよ。
物語的にはあまり感じどころはなかったんですが、主演の渡辺くんがすごーーくよかったです。なんか平均化されてない、いい顔してるなあと。大人になったら、ミュージシャンとしてすごいエロい存在感を発揮しそうな匂いがあって楽しみになりました。
あと、彼は笑顔がとてもよくって、じわあ、ってにじみ出るみたいに、嬉しそーに、恥ずかしそーに笑う顔がどーにもかわいかった。子供っぽいっちゃ子供っぽいけど、役にはすごく合ってたし、芝居云々というよりも、あんな風に笑える子を大人が嫌える訳はない…と周囲を囲むおっちゃんたちに溺愛されてる風なのも納得。「ヒゲゴジラになら騙されてもいいって思ったんや」とかねえ、少年ぽいかわいさ爆発でギャーってなった。もうあんなの単純に、生き物としてかわいいよ…! はふーん。
一番好きだったのは、オリーブが家に来て、どっか外でごはん食べる、って言ったときにリリーさん演じるお父さんがお金出して渡すシーン。あの両親の感じはなんかわたしの両親の感じに近くて、懐かしいようなむずがゆいような恥ずかしいような、えらい生々しい感じで苦笑いしてしまった。ライブのシーンもよかったなあ、アコギでガツガツ、アタックの強いカッティングで歌ってて、ああ、こういう風に歌う子だったんだ、ってハッとさせられた。黒猫チェルシー知らなかったし、今後も進んで聴くことはないだろうけど、好き嫌いはともかく、ちゃんと歌う子なんだなあ、っていうのはあの瞬間、がつんと思い知らされた感じで鮮烈でした。そこまでのささやき歌いとの落差の勝利なのかな、そしたら演出のうまさにつきるのですが。
今なんでこの映画観たかったっていったら多分、わたしは岸田を観に行ったんだと思う、自分でもよく分からないんだけど。でも、岸田は岸田だなあ、っていう印象で、よくも悪くもない、不思議な後味でした。変な格好(衣装)はしてたんだけど、なんか普通に見えないこともなく、でもそれは芝居がうまくて自然だったからっていうのでもなく。あ、でも単純に、あんまり大画面で見るもんじゃないなーとは途中で思った、わたしにとっては他の出演者よりも演奏してるところの印象が強い人なので、裸眼で芝居してる顔のアップ(しかも2列目で観たから自分の身長より長い顔)とか、なんかうまく処理できずに目をそらしたりしてた。
芝居は、台詞の間がゆるい(多分台詞の気持ちを頭でちゃんと考えて喋ってるから)(でもそうすると映画的な間からすると間延びする)っていうのが気になったくらいで、あとは本当に普通な感じだったかなあ。がっつんがっつんの京都弁はちょっと新鮮だったかも、メディアや東京でのライブでは、かなり標準語ナイズドされた京都弁を喋っているので。あと、声低いなあ! とか、目えでっかいなあ! とか、身体ちっちゃいなあ! とか、改めて思ったところもあったけど、まあそれだって、岸田は岸田、ってことでした。ちょっとはきゅーんてしたりするかと思ったんだけどな…きっと、わたしのくるりに対する萌えの89%くらいは佐藤くんが持って行ってしまっているのでしょう、しょうがないや。はは。
あとですね、何より驚いたのは、普通に映画が始まったら真っ先に、画面に宮藤官九郎が現れたことでした。本気でのけぞった。出てたの忘れてたんだよ…! ファーストシーンでいきなりガチャ歯。衝撃でしたフフフ。