オリガト・プラスティコ vol.3「漂う電球-THE FLOATING LIGHT BULB-」

やー、ちょっとびっくりするくらい面白かった! けれん味の少ないウディ・アレンの脚本に、ケラ演出がハマることハマること!! ケラさんは、日常的な所作とかに笑いをちりばめるのがめちゃくちゃ上手いなーと再認識。世の中を意地悪に観察して、それを舞台上で再現している感じだ。台詞だけだと笑いどころだとは思えないところで差し込まれる笑いの要素が突出していて、だけど、そのおかげでキャラクターが強まって見えるという、偶然なのか狙ってのことなのか、イマイチよく分からない感じが面白かった。
あと、役者が皆すごくよかった。広岡由里子さんは圧倒的で、あの人って笑いが噛まない芝居*1のときはどんな風なんだろう、と思うくらいだった。恐ろしいまでの笑わせ能力の高さよ…彼女の舞台が他にも見てみたいわあ。
岡田善徳くんと高橋一生くんの「『吾輩は主婦である』における書生と編集者コンビ」は、ドラマ内で抱き合って一夜を共にしたりしていた(ちょっと誇張)ために、こっちとしては、舞台上でも仲良くしたらいいよ、みたいな下心がないでもなく。そしたら兄弟役だったんだけど、仲良し兄弟って設定ではなかった。でもむしろとてもリアルな距離感だったような気がする。芝居になると、兄弟をやけに仲良くさせてしまうことが多い*2からね…。しかし、二人とも可愛かった、衣装がどれもキュートだったなあ。他の3人のキャストもよくって、いっけいさんと広岡さんの2人のシーンとかもう、ホントたまんなかった。
この後全国を巡回するようなので、興味がある方は是非、と思う。すごーく面白かったので。ちなみに、人が死んだり、血飛沫が飛んだり、歪んだセックスがあったり、四文字言葉を叫んだり、はしない物語でした。ドぎついのが苦手な方でも大丈夫だと思うよ。

*1:彼女の出演している舞台は、「悪霊〜下女の恋」しか観たことがなく、そのときも今回も「笑い」が重要な要素になっている演技をしていたので。

*2:今咄嗟にイメージしていたのは、松尾さんの「キレイ―神様と待ち合わせした女」とかケラさんの「消失」とか。勿論どちらにも物語上の必然性があってのことというのは百も承知!