ふるチン

ゲスト、阿部サダヲ。一部書き起こしのあるブログももうアップされている。
http://tbsradio.cocolog-nifty.com/furuchin/2006/12/37__1465.html
あ、なんか阿部さん、軽くヒゲっぽ。珍しい…。長くなるのでちょい畳む。
やー、面白かった、阿部さんがなんか、ものすごーーーくよう喋っておった。基本的に、リスナーからの質問をベースに色々喋ってる感じだったんだけど、「いつ以来文字を書いていないか?」っていう質問に爆笑。わたしが、っていうだけじゃなくて、電波の向こう側の人たちも本気で笑っていた。「いい質問だと思う」とか本人が言ってどうする。これは暴動さん、っていうか、宮藤さんの「破れるに壊すの人は字を書くという習慣がない」っていう名言*1のせいだと思うんだけどもね。阿部さん自身もそれを受けて、「破壊の魂」で逆襲していたというのに、そういうの忘れてんだろうなあ、この人…と思ったら妙におかしかった。その後の、「印象に残ったファンレター」っていう質問のときも、「あんま覚えてない…」と、聴きようによってはむぬすごいことを口走っていたしねえ。
あとは、「ゲームの達人」再演時の阿部さんの遅刻→松尾さんに殴られたネタとか、皆川さんが酔って宮藤さんをグーで殴ったネタとか、既出ながらもいい感じに粒の揃ったネタをあれこれと。上述のファンレターの話のときのくだり、番組ブログには阿部さんの答えからの流れしか載ってないけど、古田さんの話も面白かった。すっごく可愛い OL さんが、ナース服とチャイナドレスのコスプレをして、片乳*2出してにっこり笑っている写真を同封して来たんですって。電話番号とか書いてあるんですか? って阿部さん? が訊くと、勿論であると。「んもう、アルタ前で待ち合わせだよ」だって。笑ったなあ。
「朧の森に棲む鬼」の話もちょろちょろと。主役の染五郎さんの台詞量が尋常じゃないらしい。彼が弁の立つ、頭の回転がめちゃくちゃ速い、悪い奴で、彼を慕う腕っぷしのめっぽう強い弟分が阿部さん、という感じなんだとか。古田さんはデニーロ的な、暗黒街のボスの役なんだって。ほー。阿部さんは見所として「染五郎さんの口八丁手八丁っぷり」と言っていたけど、古田さんは「ずっと喋ってるよ、誰も聞いてないのに」とひどいことを言っていた。2人とも、染五郎に振り回される役なんだそうで、ホントに染五郎が「主役!」という感じなようですね。カウントダウン公演て何やんのよ? という疑問には、古田さんが「9時くらいから始めて11時台に終わって、その後サダヲくんが歌って、染ちゃんが獅子舞かなんか踊って、餅撒きしてカウントダウンしてハッピーニューイヤー、って言って、ほんで、じゃっあねえー、ってそんな感じ」と答えていた。え、歌っ…?
2/14 に大阪公演に行く、という人が、「バレンタインのチョコレートをカテコで渡していいですか」とか、萎える感じの質問をげらげら笑い飛ばしていて…でもなあ、なんでそんなことしないといけないのかね、ファンのほうも。何がしたいのか。気持ち悪そうなファンが大挙してチョコレートを持ってくる姿がちょっと見たい、と途中まで笑っていた阿部さんが、「ごめんなさい、でも、こっそりやってください」ってまともなことを言うのが珍しいというか…冗談が通じない人っているよね、みたいなことなのかな。宮藤さんとかならともかく、阿部さんが冗談投げっぱなしでいられないというのは、なんかなあと思った。きゃあきゃあ言われるのは「嬉しいです」「でも、僕もどうかと思います」って。さ。この人がこういうまともなことを言うのは、あんまり聴きたくないかもしれない…適当なことばっかり言っているのを見て「ひどい!」つってげらげら笑う、というのが、一番阿部さんを面白がれる距離感な気がするのでね…んー。
でも、まあ、出待ちの常連の中には「元々橋本じゅんさんのファンだった」って言ってる人がいた、っていうのは存分に笑わせてもらった。乗り換えの余地が狭いよ! ウルルンの話で、「泣きもどうもしなかった」と大して申し訳なくもなさそうに言ってみたり、そこんちのお父さんとかに演出とかなかったの? と訊く古田さんに、うんと小声で「…した」「そんなことないですよ!」とか、基本的に面白ければ何でもいい、っていう感じは相変わらずなんですけどもねい。
あと、お互いの好きなところと嫌いなところを訊かれて*3、古田さんが「阿部くんは天才だから好き」って言ってたのが、なんかものすごくいいなあと思った。そもそも、古田さんは大阪芸大のミュージカル科でがっちり「演劇」を学んでいる人で、以前もこの番組で、「大学に入学して、授業で『最近読んだ戯曲で面白かったものは何か』と訊かれて、戯曲を読んだことがない、と答えた奴がいたとき、こんな奴らがいる学校、辞めようかと思った」と語っていたくらい。そのエピソードを友達と話していて、「大人計画のベクトルと真逆だよねえ」と感心していたことがあったんだけど、この放送でも、以前共演したとき、宮藤さんが稽古で、着て来ていたGパンのまま、スリッパで稽古をしているのを見て「…そういうことかあ」と思った、と語っていて、多分基準点というか、芝居、というものに対するスタンスのスタート地点が、古田さんと大人計画陣では全然違うんだと思う。だけど、古田さんは役者としての阿部さんがすきで、理由は天才だから…っていうのは、阿部さんには、このスタート地点の落差を超える力がある、ということなんだろう。古田さんは嘘のない人なので、この一言でばさっと片付ける関係、っていうのが、なんかすごくいいなあ、と嬉しくなった。
まあでも、そんな難しいことは抜いても、えらい楽しそうだった、2人とも。何しろ前日も一緒に飲んでたんだそうで、何か2人して、どっちかが面白いこと言うと、ずうっとげらげらげらげら笑ってる感じ。この界隈は冗談の温度感が近いのか、傍目にホント楽しそうなんだよなあ。この関係性が反映される、とかってことはないだろうけど、朧、染五郎ともども楽しみだ。
…それにしても、阿部さんのラジオっ子ラジオおじさんっぷりって、なんであんなににやけちゃうんだろうか。不思議。今一番面白いのはTBSラジオで、具体的な番組は、と訊かれて「エレ片コミック*4」と答えていたよ。んー、惜しい。

*1:http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/g-tamashii/diary/main-200610.html 10/14 付け。

*2:上記ブログの最後のほうで阿部さんが「片パイ」とか言ってるのは、この話をなぞらえてのこと。この前提がないと何か、頭がおかしい人みたいに読めますが。

*3:阿部さんは、好きなところも嫌いなところも「酒に強いところ」と。古田さんの酒の飲み方に憧れて頑張っていたんだけど、「あなたの肝臓は日本人の肝臓だけど、古田さんのは欧米のだ」と言われたんだとか。あーなるほど。

*4:正解は「エレ片」。