ポツネン公式サイトオープン

元旦にオープン、と聞いて、また元旦か、と思ったことをずっと忘れていた。きのうアクセスしてみたところ、スタッフ日記のこんな記述が目を引いた。

定価以上の金額で取り引きされたチケットを
お持ちのお客さまは、入場をお断りすることに致しました。
転売だけが目的の、何もしていないずるい人たちが
お客さまから必要以上の金額をとることを、
許すことはできません。
その人たちのせいで、空席ができてしまう事も多々あり、
とても残念で、むなしい気持ちになります。
購入する人がいなくなれば、そういったずるい人たちは
消えてゆくのではないか、と考えました。
“何も知らずに購入してしまい、
高い金額を支払ったうえに入場できない”
私どもとしても、これは大変悲しいことです。
このような方がいなくなるよう、お友達、お知り合いに
伝えていただけると、大変助かります。

いわゆる「総論賛成、各論反対」みたいな印象を反射的に持ったけれど、それは、具体的にどうやって「定価以上の金額で取り引きされたチケットをお持ちのお客さま」を見分けるのか、その方策に対する疑問に集約される。何かしらの方法で本気で排除する、というのなら、基本的にはすごい賛同。とても賛同。
でも、こういうのを本気で統制している例としては、わたしがぱっとイメージするのは J 事務所があるんだけど、あそこはわたしが聞き及ぶ限り、

  1. ファンクラブ先行でしか殆どチケットを売らない
  2. チケットには購入者の会員番号が印字される
  3. 現地で会員証の提示などが求められる可能性が(本当に)ある
  4. オクへの出品を見かけた一般人が事務局に通報する仕組みがある
  5. 通報されたチケットの席番・会員番号で、会員のブラリ入りとチケットの無効化が(脅しだけじゃなくて)実行される

という総合的なシステムを確立しているって話じゃないですか。これは全部まとめてやってるから成立するものであって、例えば前提の中でも結構大きいだろう 1 とか、今のラーメンズ関連の観客拡大路線とは矛盾して感じられる。ので直感的に、1 〜 3 はないんだろうなあと想像する訳ですが。
でも、1 〜 3 の前提をなくして、例えば 4 とか 5 だけが施行されたとしたらどうなるのか。想像してみたら、モラルの名の下にファン同士の監視社会が成立するような気がして、それはものすごく怖く思う。完全に、ファシズムの構造だと思うので。
普通のアーティストであればこういう警戒心は抱きませんけど、以前に見聞きした小林賢太郎のワードチョイスで大変印象的だったものに、自分*1のやっていることは「正義」なことだ、というフレーズがあって、当時そのファシスティックな匂いにびっくりしてしまったことがあって。笑い、というセンシティブなジャンルのものを扱う人が、自分の立っている足場を「正義」と断言する、そのマインドがわたしにはものすごく怖く感じられたため、割と猜疑心を抱いてしまって今に至っております。
なので、今回のこのテーマをどう実現するのか、その方法論の取り方について、ちょっとどきどきしながら詳細を待ちたいと思っている。続報が楽しみ。怖いけどさ。
あと、関係ないけど、プロフのところで小林さんの「ポツネン以外の活動」でラーメンズが(KKP とか Namikibashi とかと並列ぽく)列記されているのを見て、なんか嫌ぁな気持ちになったんですが、何故か、他のユニットは「小島淳二氏との」「升野英知氏との」って感じで「氏」付けになっているのに、ラーメンズだけは「片桐仁とのコントグループ」つって呼び捨てんなってんのん見て、ああ、じゃあ、まあいいか、と納得してしまった自分の心理状態がうんざりするほど気持ち悪くて笑ってしまったよ。あっはっはっ。はっ。

*1:このときは Namikibashi について語っているインタビューだった。出典は QJ