軽薄と水色/かわかみじゅんこ

軽薄と水色

軽薄と水色

タイトルがすばらしい。表紙の色合いに本屋でどきどきした。
新作2作が豊島ミホ原作のやつで、旧作3作とコンバイン。新作は絵のトーンが丸く、繊細になっていて、台詞の感じも生々しくなくなって来ているなあと思う。旧作みたいに読んでてチクチクする感じは減ってるけど、でも、時々ぐっさり刺さるところは相変わらず、というか、むしろ刺さり方が奥深くて重い。
最近の作品はちょっと寓話的なんですよね。その分、痛さも直接的じゃなくなってるのかも。旧作のがムラがあるけど、「アイム・ア・キトゥン」のお姉ちゃんの台詞のひりひり感とか、最近の作品とは随分違っている気がする。わたしは旧作「エア・マリー・アダム」の、リナのキャラクターとかがすごく好きだったな。この時期のかわかみじゅんこ節全開! という感じで、笑えるけどかわいそうでたまらない。新作のトーンも、これはこれで好きなんですけどね。