「武さん」

松尾スズキのブログに唐突に「武さん」が登場していた。勿論、登場の唐突さは夢の話ゆえなんだけど。
しかしながら、エントリ全体を読み終わってなお、わたしはこの「武さん」が北野武を示した言葉だということに気付けずにいた。なぜかというと、わたしの父の名前が「武」だからだ。
エントリ中、「武さん」が映画監督であることを匂わせる記述がたくさんあって、それでもわたしは「武さん」という字面に父の面影を見、そこに描かれた「武さん」はわたしの父ではない(当たり前だ)ものの、それに類する人物なのであろうという先入観を(かなり無自覚に)抱いた。松尾さんの夢の中で「武さん」が映画撮影に関する作業やら決定やらを行う立場にある人物であり、松尾さんがそれを前提として受け入れていることは、エントリ内できちんと触れられているのだけれども、わたしはそれらを「夢だから」という判断で切って捨て、父に寄った人物を思い描き、畑違いの映画撮影の作業を行っていることにおかしみすら感じたままで最後まで読み終えてしまった。
結果、「武さん」の人となりがちっとも分からないエントリだなあ、と不満すら覚え、再度ゆっくり読み直し、そうしてようやく、「武さん」が「世界のキタノ」こと映画監督・北野武をあらわした単語であることに思い至ったということなのでした。
だから何だ、と言われても困るのですが、ただ、父が北野武と同じ名前を持っていることに、初めて気付いた今日であったことだよ。