hon-nin vol.07

週末に読んだ。
真木よう子炸裂。インタビューは吉田豪タンお得意の「(あっさりと)。」連発で笑った。松尾さんが寄せてるコメントがよかったー、「真木よう子に会わずに真木よう子と関わりたい(仕事したい、だっけ?)という夢が叶った」「会うと自意識でダメになるから」みたいな。ソレわかる! って拳握ったもんね。わたし、同性だけども、真木よう子が身近にいたら嫌われたくなくて、くだらないと思われたくなくて、蔑んだ目で見られたらどうしようかと思って、挙動不審になると思うなあ。この間「スマステ」に爆笑問題が出てたとき、太田さんが「自分がどれだけ SMAP がすきか」「中でも木村くんは!」みたいなことを熱く語っていた*1けど、ビストロに爆笑問題が出たときの太田さんが木村先生に向かって言った「俺今すごいブスな女の気持ちがわかる!」という言葉を思い出した。真木よう子の前ではひとは皆、「木村拓/哉を前にしたブスな女」になるのではないか?(なんつって。
ほかは、えーとまず、1回休んだら宮藤さんの連載が面白くなくなっていてとても、とてもとてもショボンとなった…。盛り返しに期待したい、って言っても次が三ヶ月先なので、テンションが下がったまま次を待たなきゃならんのが切ないや。白鳥おじさんはあれでホントに退場? 白鳥おじさん≒松尾さん、との関係の倒錯性があの小説のウリでしょ?(真顔)「松尾さんとはずっと会ってない」とか恨み言を小説中に盛り込む精神性はあいかわらずですが、拗ねるように白鳥おじさんを物語から退場させるのは明らかに失策、もうちょっとがんばれ変態! 普通の思春期話なんてつまんないじゃないかーっ!
…で、そんな捻じ曲がった執着の対象である(とわたしが思い込んでいる)松尾さんのほうの連載は、読んでてなんだか大変つらくなりました。サモアリのことがたくさん書いてあるのも、これまでのエッセイその他で松尾さんが幾度となく触れてきていた、10年前に自殺した親友の話も。なんかなあ、年齢重ねることでいろんなものを失うのは自然なことなのかもしれないけど、松尾さんの場合、病気と離婚のタイミングが合っちゃったことで、他のすべての喪失が全部同じだんごにまとめられて、背中に重くのしかかっているかのように見える。松尾さんが、失ったものについて完全に諦めた位置から語っている、その温度の低さがこわくもあり、つらくもある。しあわせでいてほしい、ってファンとしては思うけど、何が松尾さんにとっての「しあわせ」なのかなんて、わたしにはわかりっこないのです。祈ることすら難しいんだぜ。
あ、ちなみに、今の松尾さんの連載って梅佳代が取材? に同行して写真を撮って、その現場での梅佳代との会話とかが書き起こされているものなんですが、今回は梅佳代がひどく嵐、中でも大野くんについて熱く語っています。大野くんについて松尾さんが、「公家顔の子だよね?」みたいに言ってるのに噴いた。梅佳代サモアリの「洞海湾」を観て、大野くんの芝居と比べてたよはっはっはっはっ。演劇ファンで嵐ファンの方はご覧になってみてはー?(と数名の方に私信)
なんかこの、松尾さんの取材のセッティングで北尾さん(編集長)がコケたらしいんだけど、それを連載本文中で責めてる松尾さんの文章がしんどい。そして、兵庫さんの連載(ビートたけしの ANN の歴代名放送を書き起こすやつ)も天久さんの連載(妄想の中の女学院の話)も強制的に連載終了っぽくて、なんか大丈夫なのかなーこの雑誌、みたいな。でも北尾さん、宮沢章夫さんと打ち合わせ、みたいな日記書いてたしなあ。宮沢さん、書くのかなあ、この雑誌に。うーん。
あと、西島大介さんの、描き下ろし原稿紛失ばなしが絶頂に面白いです。今、雷句誠さんが原稿を紛失された件で小学館を提訴した話や、それに呼応して出してきた新條まゆさんのブログの小学館糾弾エントリが盛り上がっているけど、西島さんの場合、編集者とちゃんとした信頼関係があっての紛失事故で、小学館ネタとはちょっと事情が違うんだと思う。でも、紛失した原稿の補償額に関する算出方法って点では比較が面白い。や、面白がってはいけないのかもしれないけども、漫画のように、雑誌掲載時の原稿料(イニシャルコスト)と単行本出版時の印税(ランニングコスト)とが混在してる料金体系のものって、原稿そのものの価値をどうはかるのか、考え方次第でどうとでもできる部分があるんだと思うんですよね。そこで出版社の姿勢が如実に出る気がして、比較のしがいがある、ということでした。
それで言ったら、西原理恵子の連載も、今回は漫画出版業界の裏話として読むことができるっちゃできて面白かったな。ちょうどきのうの昼間に入った喫茶店に、土田世紀の「編集王」があって懐かしんでいたところだったので、新條さんのエントリまで読んだら、スピリッツ、あの頃面白かったのにナーって溜息が出た。
いえ、小学館の話じゃないんですけど。hon-nin なんですけどね。まあいいや。とにかく、松尾さんが書いてた kkkk って誰? っていうのがとても気になった、という話です。松尾さんが思う男前ど真ん中の顔、歌がうまくて格好いい、格好よすぎてちょっと面白い感じになっちゃってるひと。松尾さんの企画を、「笑われるのはごめんです」と激怒して断ったというひと。…誰? k?

*1:正確には、田中さんが熱く語っていて、太田さんは照れ笑いをして頷いていただけ。爆笑問題のこういうところが大好きだ!