しかし

ラスト・フレンズ」の糾弾に昼休みを費やしてしまって思い知る、わたしがドラマに求めているのは、人間の善良さとかやさしさとかしんどさとかやるせなさとか醜さとかかわいらしさとか、がきっちり描かれていることなんだなあ、と。もしくは、描いている側の価値観が一貫しており、作品全体がぶっ飛んでいるものか。これはこれで、人間なんて描けてなくても全然楽しめるものもあるのです。
ラスト・フレンズ」はどっちでもないのがいやなのだ。普通の若者が抱える悩みの一環として、DV や性同一性障害をあくまで小道具として扱い、もっと登場人物たちの何気ない日々のくらしやそこで感じることなんかを丹念に描いていたらよかった気がする。多分、脚本の人はそういうほうがうまい人なんだろうなー、そんな気配をかんじるなー。
または、宗佑をサイコっぽくぶっ飛んだキャラクターにするという手もあった。冬彦さん的な。そのどちらにもなりきれていないから、観ていてやりきれないのだ、きっと。