のだめカンタービレ(21)/二ノ宮知子

のだめカンタービレ(21) (KC KISS)

のだめカンタービレ(21) (KC KISS)

ちょっとちょっとちょっと畳みますよったら!
ベベベベベベベベッドが! 後朝シーンが!!(白目)
…やあ、ちゃんとやることやってたようで安心しました、のだめと千秋。っていうかここ何巻か、感想つったらこの話ばっかりな気がする自分。いい加減にしたほうがいい…。
にしても、千秋がのだめ(の音楽)に求めているものは、やっぱり千秋の中にしかないんだなあと思った。それを Rui が形にできたのは偶然とか才能(Rui の)とかの力なんだと思うけど、その音を鳴らしたのがのだめじゃなかったということに、そんなに傷つかなくてもいいのになあ千秋も、と思う。のだめがショックに思うのはしょうがないけども、千秋まで動揺してもねえ。
千秋はのだめをがんばらせようとするけど、その向かう先に何があるのか、読んでいてもわたしにはよくわからない。のだめは、のだめが向かいたい先(先輩と一緒にコンチェルト)に向かってがんばって、でもその先にあった目標だったはずのものが、目の前で他の人によって完璧に実現されてしまった訳で、そのがっかり感はそりゃあ巨大だろうよ、と思う。しかも、音楽と恋愛をシンクロさせて考えちゃっている訳だから、そりゃあやる気もなくなるってもんで。どっちかだけにすればそんな思いはしなくて済むのかもしれないけど、そうできない…っていう前提を破って、恋愛だけは守ろうとする発想が、のだめの発作的なプロポーズの真相な気がした。
千秋は両方ほしいし、両方いけると思ってるんだろうな、のだめの失ったもの(とのだめが思っているもの)の大きさに気付けていないのか、気付かないことでしかのだめを見守れないのか。どっちにしても、なんか千秋が何もできなくて可哀想に思えるのと同時に、いいから何とかしてやれよボケ、というような苛立ちもあって忙しかったです。
あと、ちょっと物語的にどん詰まりのところにいるせいで、周囲の人物の陰が薄くてつまらなかったという印象も。まあそういう巻もあって当たり前よね、とは思うけど。要は息苦しい展開にはまっているなあと。次巻以降、ダイナミックな解脱のシーンを楽しみに待ちたい。