かよちゃんの荷物 (2)/雁須磨子

かよちゃんの荷物 2 (バンブー・コミックス)

かよちゃんの荷物 2 (バンブー・コミックス)

まさか出るとは思ってなかった、の2巻。でもなんとなく諦められず、1巻を結婚時の家財に入れて引越ししたんですが、大正解。うれしいうれしい。
30代独身、彼氏なし、仕事もガツガツやってないし、真剣に打ち込む趣味もない。そんな女性のさりげない日常スケッチ…と言えば、魚喃キリコの「ハルチン」や南Q太の「オリベ」が思い出される。どっちも雑貨屋店員とか喫茶店勤務で、女友達と家族みたいに付き合っているところもちょっと似ている気がする。
でも、その3作の中ではわたしはこれが一番好きなんだよねえ。なんでなのかなあと考えてみてもよく分かんなかったんだけど、ハルチンの「今楽しきゃ先のことどうでもいいじゃん、ビール飲んで忘れちゃおうよアピール」も、オリベの「お金かけないで淡々と暮らす年寄りみたいなのが性に合ってるんですアピール」も、どっちも時々いらっとなるからなのかもしれない。かよちゃんは、全然いらっとなるところがないんだよねえ、色々考えすぎて荷物が多いのもすごいリアルな気がする…のは、単にわたしの性質がかよちゃんに似ているというだけなのか…な…?
ああ、でもそう考えたら…化粧をちゃんとしてないことが気になって、デパートの化粧品やさんのカウンターに教えてもらいに行こうとするのに、ちゃんとしてないから気後れして行けないとか、それなのにいざ行ったらナチュラルなメークじゃなく、好奇心でフルメークをしてもらってしまうとか、美容院に行ったら「あんまり変えないとつまらないから」という理由で急にがつんとパーマかけてしまったりとか、たまたま連絡あった友達に会いに勢いで仙台まで日帰りで行って牛タン食べまくっちゃうとか、旅先なのに安い日用雑貨見つけてしこたま買い込んじゃうとか、勤務先が臨時休業なのに忘れて出勤してそのまま勢いで登山しちゃうとか…確かにちょっとかよちゃんに似ているかもしれないわたし…正確には、「独身だった頃の、誰も止めてくれる人がいなかったわたし」ですが。
なんかこう、そういう意味では、かよちゃんは人目をあまり意識していなくて、そこが他の2作より好きなんだと思うけど、でも結婚してみたら、かよちゃん的無軌道を律してくれる夫が毎日家にいてくれてありがたい、と思わないでもなく…アレ? どっちがいいと思っているんでしょうかわたしは? なんだかよくわかんなくなってきた。ははは。
まあ、そんなこんなで、かよちゃんが他人事とは思えず、かよちゃんがちょっと嬉しいこととか味わってると幸せを感じるし、面倒なほうに足を踏み入れかけると、ひとみちゃんのように「ちょっと待て!」ってなります。ゆっくりでいいから続きが読みたいなあ。かよちゃんのぼんわりした毎日を読んでもっとニヤニヤしたい。楽しみに待ってみよう。