リアル脱出ゲーム〜廃倉庫からの脱出〜/BankART Studio NYK(2010.01.11/13:30-)

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SCRAP がやってる脱出ゲームに初めて行ってまいりました。脱出は…うん、やっぱりできなかったとです…。
ネタバレ禁止期間はもう終わってるはずなんだけど、細かく書いて面白いイベントなのか疑問なので、感想をメインでメモ程度に。
まず、開始時間に会場にいた人がすごく多くてびっくりしました。ゲーム中に話をした、以前のリアル脱出ゲームに参加したことがあるという女の子に聞いたんだけど、前は1回10人とかの規模だったらしい。一方今回は3〜4人×30チームくらいあったはず。なので、1回100人くらいの規模だったんじゃないかなー、ゲーム中にざっとチームのテーブル数数えただけなので、多分ですが。
と、さらっと「3〜4人×30チーム」と書きましたが、ここが今回のゲームの一番面白いところだったと思う。参加者はね、受付時に渡されたカードのマークごとに、3〜4人のチームに分かれてからゲームがスタートするんですな。それもただ分かれるだけじゃなく、まずカードのマークの色(白と黒)で別々の部屋に分けさせられ、それぞれの部屋の中でチームに分かれるっていう凝った方式。しかも、自分がいる部屋で顔を合わせて問題を解くのは目の前にいる同じチームの2〜3人なんだけど、壁に隔てられたあっちの部屋にいる、自分たちと対になるチームの助けを借りないと解けない問題もあったりするんですねえ。顔も見えない、知らない人たちと協力し合ってゲームが進むっていう、よくできた仕組みなんでした。
また、この壁で隔てられてる2つの部屋をつなぐ連絡方法が面白くて、両方の部屋にポストがあるんですね。対になるこっちとあっちのチームのマークが書かれた封筒が用意されていて、それにこっちの部屋で見つけたあっちの部屋の問題向けのヒントをメモした紙を入れてポストに投函すると、あっちの部屋に配達してくれるっていう。間をつなぐのは郵便屋さんで、回収しまーす、と声をかけて封筒を回収して、あっちの部屋に持って行ってくれる。結構すぐ配ってくれるので、あっちのチームががんばっていっぱい情報を送ってくれたら、早く返してあげなきゃって焦るし、封筒がこっちにある間はあっちのチームが何か見つけてもこっちに送れないから、それはそれで焦るし。そういう、目の前の問題を解く、っていうだけじゃない、不確定要素が入ってくるのがすごく面白かったです。
最終的には、自分たちが解いた問題の答えと、解いたことでもらえるアイテムを抱えて最後の部屋に移動して、対になってたチームと合流した状態で、持ち寄ったアイテムを使って最後の問題を解く、っていう仕組みになってたんだけど、この時点でわたしたちは、2チームとも前の部屋で解けずに終わってた問題があったため、アイテムが足りない状態だったんですね。それでも最後の問題を解きうるのか?っていうのが分からず、なんとなく気持ちが諦めっぽくなって本気で解こうとしなくなってた部分があったんだけど、あとで考えてみれば、最後の問題は足りないアイテムがあっても解けたかもしれない内容だったなあと。もっと最後までがんばればよかったな…と思う反面、アイテム足りなくても解く意味があるかもよって教えてほしかったな…とちょっと思ったり。ま、甘えですけどもネ。
似たようなことは2つの部屋に分かれてた時点でも感じていて、「ヒントが全部出揃っているのかが分からない」っていう局面によく出くわしたんですよね。ヒントを探すところからがゲームだっていうのは分かるんだけど、「ヒントを探す」と「ヒントを使って問題を解く」っていう2つのフェーズの切り分けをどう制御するかは、アナログのゲームだとすごく難しいな、ってことを感じました。デジタルのゲームであれば、問題を解くフェーズに進めない=ヒントがまだ揃っていない、っていう制御ができるから、やってるほうもヒント探すことに集中できるんだけどね。特に、今回は自分の部屋の中を歩き回って壁とかに貼ってある問題やヒントをメモするだけじゃなく、あっちの部屋の壁に張ってあるヒントを待つという要素もあったので、ヒントが揃ったかどうかの判断がすごく難しかったです。
あと、チームメンバーは初対面の若い子たちなので、判断のための相談のコミュニケーションに気後れした部分も正直あった。問題解くにも、相談すべきなのか手分けすべきなのか、それぞれの志向がばらばらだとまとまらなかったし。最後の問題だって、「だって既にヒント足りないし…」って尻込みしている人がチームにひとりでもいたら、その子を焚きつけてがんばろう! ってやんなきゃなんないんだけど、その見極めがなんとも難しく…まあ、それを乗り越えてちゃんと「脱出」できてたチームもいた訳なので、己のコミュニケーション力の足りなさとかをゲームのフレームワークの問題と取り違えているような気も自分でちょっとするんですけども! そのへん含めて「ゲーム」な訳で、必ずしも脱出しなきゃ楽しめないこともなかったし、だからこそ参加条件を完全に揃えるような仕組みになってなかったんだと思います。そういうのは一通りよくわかる。でもね、でもでもでも、やっぱり問題があるなら解けなきゃ悔しいのが人情なんだぜ!ってことなんだ! あのね、解けないと思ったより全然口惜しいよこれ! くー!(地団駄)
と、文句ばっか書いてるみたいですが、楽しかったんです、ホント。問題じたいはそれぞれよくできていて、中でも部屋(倉庫)の丸い柱を使った循環問題なんかは会場の特性を生かしていてニヤニヤしちゃう仕上がりでした。途中でやる気をなくして2つの部屋の間の壁の上でうずくまった郵便屋さんに、両方の部屋から一斉に皆で声をかけて励ますというかわいらしいイベントが仕掛けてあったのも大変好感度が高かったなあ。全部終わったあと、帰りがけにトイレで同じチームになった女の子たちと出くわしたとき、「あそこでああだった!」「ですよね!」とかきゃっきゃお話できたりしたのも楽しかったです。SCRAP の加藤さんが、終了後に飲みながらゲームをやってる映像を観るっていうアフターパーティみたいなのを用意してると言ってましたが、確かに参加者で集まってあとからワイワイ感想とか言い合ったらさぞや楽しかろうと思う。そういう、コミュニケーション促進効果のある楽しいイベントで、もっと謎解きに特化したものを想像してたから、思ってたのとは違ったけど、すごく楽しめたので嬉しかったです。
あ、でも、各問題の内容が「廃倉庫からの脱出」ってテーマにかかってたら、もっともっと楽しかった気がします! 全然倉庫も脱出も関係ない問題ばかりだったので、物語性に欠けたっていうのはあった。これはちょっとだけ残念に思ったポイント。そのへんも改良されたら最強な気がするので、そっち方面への進化を期待したいもんです!(えらそう)
正直、終わった時点で「もう一回やれたらもっとうまく判断できるのに!」って口惜しさが残ってたので、機会があったら是非また参加したい。ちなみに次回は GW にお台場で開催とのことでした。スケール大きくなりすぎると別物になるのでは、という危惧はありますが、スケジュールが合うといいなと思ってますヨ!